中小企業の社長によく相談されるのは、
「うちの社員は自主性がなくて困る」
「もっと自分で考えて思い切ったことをしてほしい」
というもの。
顧問契約を頂き、内情を探るため幹部に聞いてみると、
「正木さん、建前はそうだけど実際に動くと結局、怒られるんです」
「そうなんですか?」と聞き返すと、
「幹部や社員からいい提案を上げても自分(社長)が気に入らなければ、ボツになるんですよ、この会社は。」
「でも良い意見なんでしょ?」
「はい、良い意見ですよ」
「社長が法律というか憲法というか、ルールメーカーなんです。そのルールもコロコロ変わりますし、ご自身が守れていないこともありますよ」
正に中小企業あるある、です。
こういう状態があまりにもひどいと離職率が跳ね上がります。
社員は食べていく為に仕事をしなければなりませんが、あまりにも理不尽なことばかり突きつける会社はどんどんと人が定着しなくなります。
現在の求人倍率を考えると、売り手市場なので、働く側が職場を選べる環境が整ってきています。
社員なんて給料を出せばいつでもいくらでも集まる、そんな時代はもう終わりました。
私の役回りはそんな社長に人が確保できないと経営が立ち行かなくなるという現実と向き合って頂くことです。
言い換えると、人の定着しない会社こそ取引先から信頼を得られない時代になっていくことを理解して頂くことです。
具体的には、私が主導して会議やミーティングで、社員の良いところを披露し、社長にそれをどんどん気付いて頂き 理解して貰います。
社員に不平を言う前に、そう、社長が変わらないといけないんです。
社員に「うちの会社はいい会社だ。」と思って貰うこと。
これがすべての始まりです。